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ウインドサーフィン 海仲間に出会うまで体験談実践記録

その他

私は20代から30代にかけてウィンドサーフィンに夢中でした。

ウインドサーフィンの思い出を、振り返ってみることで、なにか小さなことでも、これからウインドサーフィンを始める方の参考になればうれしいです。

ウインドサーフィンとの出会い

私がウインドサーフィンというスポーツを認識したのは、中学か高校の頃に海に出かけた時に見たのが最初でした。

カラフルなセイルが勢いよく走っているのが、実に印象的で単純にカッコいいなと思って眺めていました。

ただ、自分もやってみたいとかいう気持ちは全くなかったでしたし、こんなこと絶対出来ないという思いでした。

ところが、まさかその後に自分がこのスポーツをやることになるとは…

ある一言がきっかけで

社会人になって二年目くらいの時でした。職場の後輩(高村君 仮名)とマリンスポーツの話になって「ウインドサーフィンってかっこいいな!」と、なにげなく言ったら意気投合!

その話はそこでおしまいと思っていたら、後日、「吉木先輩(仮名)がウインドサーフィンをやったことがあるらしいから3人でやりましょう!」と高村君が大乗り気で言ってきました。

話はとんとん拍子に進み、ある休日、海水パンツだけ持って三人でお台場へ!

良く晴れた、日差しの厳しい夏の日でした。

この辺り(フジテレビ本社ビル前)は当時(30年位前)と今(2022年に書いています)では全く様相が変わっています。

当時はフジテレビ本社もレインボーブリッジもありませんでした。

ちょうど赤丸付近でウインドサーフィンを体験しました。

クラブハウスで道具を借り、よく分からないながらも見様見真似でセッティング。吉木先輩もウインドサーフィンを体験したことがあるという程度でした。

バカでかい板に乗ってみると、なんと板の上で歩けちゃうくらい浮力があります。

海は波もなくミズクラゲの大群がいなければ、まるで温水プールのよう。

ミズクラゲ

当時は四方をほぼ囲まれている形状だったので、沖に流される心配がさほどなく怖がりの自分には良い場所でした。

セイルを立てて、僅かながらでも進んでると感じた時は、(進んでいるのか?流されてるのか?)(^^;)何とも言えない気分でしたね!

とても充実した一日で、気分はすっかりウインドサーファー!でした。

お台場から鎌倉へ

その後、お台場へは二回くらい行ったでしょうか?

ある日のこと、高村君が「僕と吉木さんで鎌倉にウインドしに行きますけど、先輩も行きますか?」と尋ねてきました。

「えっ!海じゃん!?」と、へんてこりんな答えの自分。

(まだ全然乗れないのに、いきなりそんな大海原に出て大丈夫なのか?)と心配です。

かと言って一人でお台場でやることも出来ないし…

結局二人について行くことに。 

過去に吉木さんが鎌倉の艇庫(道具を預かってくれるところ)を利用したことがあるということで、今回もそこに行ってウインドサーフィンをすることに。

鎌倉まで横須賀線に乗って、そこから江ノ電に乗換え長谷駅で下車。

長谷駅

長谷は鎌倉の大仏や長谷観音で有名な観光地。気分は完全に行楽です!

駅から歩いて約5分、艇庫(マリンセイラーズ 仮名)に着きました。坂の下という場所です。

出艇箇所(坂の下海岸)

初めての鎌倉の海! 広い! 爽快感が最高です。

高台から見た鎌倉の海 由比ガ浜

その日は道具を借りてやりました。お台場で借りた道具とそっくりです。

レンタルで借りた道具とほぼ同じ物 サーファー艇と言われる板

そして終わった後、全員その場で道具を買ったのでした。その日借りたのと同じような道具を3万円くらいで買ったと思います。

3万円で道具一式揃ったと思えば、えらい安い買い物!とその時は思っていましたが、ずいぶん後になってあの時の道具に3万円も払ったなんて、(何も知らないと損をするんだな。)ということを学びました。

それはもう、ただで引き取るような道具だったからです。

何回か通っているうち、周りを見ると、他の人の道具がかっこよく見えました。明らかに自分の道具は古いのが一目瞭然。

時代が違う感じです。

案の定、あまり使わないうちに新しい道具が欲しくなりました。

この時の自分の知識は、(初心者は安定性がある大きい道具が良い。)というものでした。

この知識は正しくありません。

しかし、そう思い込んでいる自分は、一番大きくて、値段も一番高い道具を買ったのでした。

それは初心者用の道具ではなく、バリバリのコースレーサーが使う道具だったのです。

コースレースとは?

ウィンドサーフィンにおけるレーシング種目の一つ。

最低風速5m程度の弱めの風のなかで開催され、スタートラインより風上に打たれたマークが必ず存在するコースを回るレース。

体力や技術のほか、風の読み、コース取り等、戦術が求められる。

選手がすべて同一の道具を使って争われる。オリンピックが代表的な舞台。

レースに出たいというなら別ですが、ただ単純にウィンドサーフィンを楽しみたいというなら絶対にオススメ出来ない道具でした。

もちろん当時の自分には、そんなことは分からなかったですが…

命の危険にさらされた、ある一日

正確な月日は忘れましたが、その日は冬でした。 晩秋だったかもしれません。

久しぶりに高村君と2人で鎌倉へ。 あまり風のない平日でした。

しかしその日は寒冷前線が通過する予報が出ていた日でした。(もちろん後から知ったことです。)

本来はウインドサーファーなら当日の気象予報がどんな感じか知っていることは必須です。

湘南の海ですと、寒冷前線が通過すると北寄りの風に変わり気温が下がります。

北寄りの風は湘南ではオフショア。陸から海に向かって吹く風でウインドサーフィンですと、沖に流される風向きで、一番良くない風向きです。(そのことは知識として知っていました。)

平日で予報も良くないせいか、海に出ているのは2人だけ。

夕方になり(あと一往復したら上がろう。)そう思い「もう一往復だけしてくるよ!」と高村君に声をかけ再び沖へ。

しかし突然、黒い雲に覆われはじめ北風が吹いてきました。

ついさっきまで全然風がなかったのに、いきなり吹いてきたのです。

すぐに帰ろうと方向転換に入りました。が、あろうことか落ちてしまったのです。

板に立ってセイルアップ(セイルを引っ張り起こすこと)をしましたが、うまくいきません。

セイルアップ

ビュービューと音を立てて北風が襲ってきます。 

風が重くセイルアップに悪戦苦闘している間に徐々に沖に流されていきます。

やっとセイルが起きたと思ったら風が弱くなり手前に落ちてしまう等、繰り返すうちにまた沖へ。

沖に行けば行くほど風の通りが良くなり強風になります。

見る見るうちに浜が遠くなってきました。

これはヤバい! 

私は思い切ってリグ(道具の板以外の部分)を畳んで、板の上にのせてパドリングしようと決めました。

これは、沖に流されてしまった時の対処法として本で読んだ知識です。

慎重にリグを外してセイルを畳み、板の上にのせて、その上に寝そべり水かきで浜を目指しました。

しかしいくら掻いても、少しも前に進みません。掻くたびにリグが崩れてうまくいかないのです。

もう畳んだリグは元には戻せません。とても無理です。

そこで次に私はリグを捨てる決心をしました。水に流したのです。

高かったセイルやマスト。悲しかったですが仕方ありません。

再びパドリングを試みました。その瞬間、私は愕然としました。

なんと全然前に進みません。進まないどころか、板が風に煽られて自然と沖の方に向いてしまいます。

風も潮流も沖に向かっている感じです。

おまけに突風に煽られ板が暴れるように。 私は板と離れないように必死でした。

私は試しに沖に向かってパドリングしました。するとあっという間に進んでいきます。

一瞬、はるか彼方に見える江の島を目指そうか?と思ったほどです。

その時でした! 10mくらい先でしょうか? 私の視界に、ある物が飛び込んできました! 

ブイです!

「あれだ!あれしかない!」 私はブイにつかまって流されないようにすることを考えました。

それに向かって全力でパドリングしたのです。 この時ほど全力を振り絞ったことは、私の人生でおそらくないでしょう。

失敗は許されませんでした。少しでもブイより風下に行ってしまえば、つかまることは出来ないと思いました。

ブイ

そして、何とかブイをつかむことに成功したのです。

ブイから出ているロープと、自分のハーネス(腰につけているベルトのような物)を結び付けて板の上にまたがりました。

これで沖に流されることはなくなりましたが、助けを呼ばなければなりません。

この日は一人じゃなかったのが幸いでした。 なんとか高村君に知らせよう。 小さくなった浜に向かって、両手を大きく振りました。 これで気がつくでしょうか?

辺りはもうだいぶ暗くなってきました。 

高村君が気付いてくれているか? 高村君が乗って助けに来るのは無理です。

私は(高村君は、絶対自分の異常に気がついているはずだ。艇庫に救助を頼んでるに違いない。待つしかない。)と考えていました。

艇庫のオーナーに言って、マリンセイラーズは救助艇は持ってないので、他の艇庫に応援を頼む方法で救助を待つということになります。

板の上にまたがっていると、風が吹いてきて寒いです。 私は少しでも風に当たらないように上半身だけ板に寝てみたり、水中の方が温かいのでは?と考え水の中に入ってみたりしました。

このまま助けが来なかったら(一晩、漂流して身体が持つのかな?)と不安になりました。

もうかなり視界がきかなくなってきました。

漂流してからどのくらい経ったでしょうか?

浜の方から灯りがちらちらと動いています。 やがてマリンジェットのようなものが、向かってきました。

しかしこっちに向かうというより、大きくそれていくようでした。

私は大きく手を振って「おーい!こっちだよー!」と叫びました。(頼む!気付いてくれ!)

まるで祈りが通じたかのように、やがて、迂回しながら自分の方に来てくれたのです。

「もう大丈夫だよ!」 見たことのあるお兄さん2人でした。他の艇庫の店長です。

「ごめんねー、まっすぐ来ようとしたけど潮の流れがきつくて直進出来なかったよ。」

「あれっ!セイルは?」 私はリグを流したことを伝えました。

「そうか、仕方ないね。道具はまた揃えればどうにでもなるからね。」

マリンジェットに乗り移るときは、冷えからか、足がつっていました。

それでも、なんとか助かって良かった!

高村君が異変に気付いて、マリンセイラーズに通報して、マリンセイラーズから他の艇庫に救助を依頼したのです。

坂の下にあるショップや艇庫には、会員さんの安全を確保する、そうした体制が構築されていました。

後日、改めてマリンセイラーズと、他二つの艇庫にお礼をするため伺いました。

その時はウィンドサーフィンに関する、いろんな話が聞くことが出来て有意義でした。

キャット ブレーク

クゥーちゃん
クゥーちゃん

長い文章読んでくれておつかれさまニャ!

タッくん
タッくん

ボクたちの画像でも見ておめめを休めるニャ~!

転機となったある女性との出会い

それからというもの、吉木さんはお子さんもいましたし、そう海には来れません。

高村君も結婚をまじかに控え、やはり海にはあまり行けなくなりました。

私はあの事があって以来、すっかり海は遠のきました。

それから半年くらい経ったでしょうか? 私は失恋しました。

失恋すると、それを忘れようと、何か無性にトライしたくなります。

中途半端になっていたウインドサーフィンをもう一度やってみよう。

一人の海なので、ものすごく慎重でした。

一人で2~3回行ったでしょうか?

その日は平日で天気も曇っていました。海に出ているのは自分だけ。地味な海でした。

風は東寄りの弱い風でした。 この風向きはまっすぐ沖に出られます。そして帰りはまっすぐ浜に向かって戻ることが出来ます。

まあ、あまり沖には行きませんでしたが。

しばらくすると、もう一人海に出てきました。

何度か見かけたことのある女の子です。 同じ艇庫の会員さんでした。

私はそれとなく彼女を観察しました。 自分よりだいぶ小さめの道具を使っています。

小さい道具は浮力がないので、バランスをとるのが難しくなります。

しかし彼女は全然落ちずに乗っていました。 

私が上がって道具を洗っていると、彼女も上がってきました。

私は思い切って声をかけました。

「こんにちは! 小さい道具みたいですけど、今日みたいな風の弱い日でも上手にバランスとって乗れるんですね? やっぱり難しいんですか?」

すると彼女は、私の道具に一瞬、目をやってから、「慣れればそんなでもないですよ。」

続けていろいろと親切に教えてくれました。そしてこう言ったのです。

「小さい道具に興味あるんですか?」

私はよく分かりもしないのに「ハイ!」と答えてしまいました。

そうすると彼女(美紀さん 仮名)は嬉しそうに小さい道具の良さ、素晴らしさを教えてくれたのです。

そして「今度の週末、海に来ますか?」

私は迷わず「ハイ!来ます!」と答えました。 

「それじゃあ、先輩でもっと詳しい人がいるので、その時紹介しますよ。」

私は本当に嬉しくなってしまいました!

転機となったある男性との出会い

週末は仕事だったのですが、もちろん休暇です。

朝早くから海に向かって出発しました。はやる気持ちを抑えられません。

自分より少し後に美紀さんが来ました。

「こんにちは!この間話した先輩、紹介しますね!」と現れたのはイケメン男性(庄司さん 仮名)。

少し近寄りがたい雰囲気もあります。しかしそれは瞬間的なものでした。

「こんにちは!話は聞いています。小さい道具に興味があるそうで。」

この一言で緊張がほぐれました。

「それじゃあ、いろいろ説明するより、早速、海に出ましょうか!」「ハイ!」

速攻で着替えて、自分の道具を出そうとしたところ、「あっ、その道具、今日は出さなくていいですよ。僕の道具を使いましょう!」と庄司さん。

なんと道具を貸してくれるなんて!

私は艇庫に置いてある台車に道具を乗せようとすると、「台車に乗せるのはやめましょう。」

台車の鉄パイプの部分に振動で当たると板が割れるかもしれません。

道具を大事に扱うという意識改革から教わりました。

浜に着くと「セイルのセッティングしてもらっていいですか?」と庄司さん。

私は普段している通りセッティングしてみました。

庄司さんは一目見て「分かりました。これだとこのセイルの持つポテンシャルを充分に発揮出来ないんですよ。」

そしてセッティングのポイント、セイルの見るところ等、詳しく教えてくれるのでした。

私はそのすべての言葉が初めて聞くようなことばかりで、今まで何も知らないことを恥じらう気持ちと、すべてを吸収しようという気持ちが交差していました。

そしていよいよ海に出ます。まず道具が軽い!

その日は天気も良く風もそよそよといった感じで、私が練習するには絶好の日よりでした。

そして板を海に浮かべ、セイルアップをしようと足をかけました。

ところが片足を乗せて体重をかけたとたん、板が沈んで乗れません。

「しっかりと板の中心に乗らないと沈んじゃいますよ!」と言って見本を見せてくれました。

それから何度も失敗を繰り返しましたが、しばらくすると少しコツをつかんでまっすぐ進むように。

沖に行かないうちにタック(風上側にターン)しようとしたら板があっという間に動いて、落ちてしまいました。

タックの解説動画

小さい板は大きい板に比べて、アクションを起こそうとすると敏感に反応するのです。

道具が小さいと、それだけ水の抵抗を受けないんですね。初めは難しいですが、出来るようになると、水の抵抗を受けないということは楽なんです。

庄司さんがタックの見本をしてくれました。速い!道具の動きに合わせて自分の動きも速いです。

その後、セイルを使って浜でタックのイメージトレーニングをしました。

今までこんなことをしたことありません。夢中でした!

そして充実した一日が終わったのでした。

終わりに

今回は私がウインドサーフィンを始めてから海の仲間に出会うまでを記事にしました。

ウインドサーフィンを何も分からないままでやる危険さ、ウインドサーフィンをやる環境、仲間が大事なことが伝われば、うれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(ウインドサーフィン体験談乗れるようになるまで)

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